モテ男と地味子の初恋物語
そんな事ぐらいで、なぜあんなに腹を立てたのか、それが自分でも不思議だった。

「ごめんなさい。私、本当はパーシーの事がすごく気になってたの」

「だったら、なぜ…?」

「何度も桂木君に声を掛けたいって思ったの。でも、桂木君の傍にはいつも誰かがいて、そのチャンスがなかったの」

「そんなの、気にすんなよ。いつでも声を掛けてくれよ?」

「でも…」

「無理なのか? 分かんねえなあ」

「………」

「じゃあさ、メールで話そうぜ?」

「メール?」

「ああ。いま携帯持ってるか?」

「うん」

俺が黒い携帯をポケットから出すと、紬もスカートのポケットから、白い携帯を取り出した。
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