モテ男と地味子の初恋物語
「え、うん」

「よし。ちょっと待ってな…」

俺は携帯のメール作成画面を開き、『パーシーは元気だよ。』と打ち込み、ある画像を添付して送信ボタンを押した。

二人で紬の携帯を見つめていたら、しばらくしてランプが点滅し、ブルブルっと振るえた。

「来た!」

紬は嬉しそうに携帯を開き、ボタンを押して食い入るように携帯を見ていた。

「あ、パーシーだ。可愛い…」

「結構うまく撮れてるだろ?」

「うん。桂木君、ありがとう…」

そう言って俺を見つめる紬の目は、うるうるしていた。

「い、いや、どういたしまして。それ、保存出来るか?」

俺は照れ臭くて、視線を逸らしてそう聞いてみた。
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