モテ男と地味子の初恋物語
「えっと、たぶん…」

「じゃあ、やってみな?」

そう言って俺は紬の携帯を覗いた。自然と顔と顔が近付いて、紬の髪の毛からほのかに甘いリンスの香がし、パーシーを拾った時の事を思い出した。

「えっと…あれ?」

「左上のボタンを押してメニューを表示させて?」

「あ、うん。…『保存』を押すのよね?」

「そう」

「えっと、『完了』を押して、また『保存』を押して…出来たかな?」

「うん、出来たと思うよ。データフォルダを見てみな?」

「うん、そうだね」

紬は携帯は持ってるのに、あまり使ってないみたいだな…
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