HEAVEN
「ただいま・・・」


「あっ、おかえりなさい」


お母さんの声。

いつもと同じように聞こえるけど、


やっぱり何かが違った。


「ケーキがあるんだけど、食べない?」

「ううん・・・いらない」


お母さんと一緒にいたくなくて、

早く部屋に戻ろうと思った。


足が階段にさしかかったときだった。


「お父さんに・・・何か言った?」


心臓が早く動き出した。

「え?・・・な、なんで?」

「ううん、聞いてみただけ」

今まで、こんなにお母さんと話していたくないと思ったことはないくらい、一言一言が重かった。


「・・・な、なにも話してないよ?」

「そっか」

あたしは急いで階段を駆け上がった。
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