箱
私はお小遣いに不自由しなくなった。
洋服だって。靴だって。
欲しいものを買えるようになった。
夢みたい。ラッキー。幸せ。
そして、それから2ヶ月経った。
課長は席を外して事務所に行っていた。
美紀さんと二人での作業。
その時のこと。
「あっ」
美紀さんが小箱を落としてしまったのだ。
小箱は転がり、蓋が開いた。
「美紀さん。これ、もしかして……」
「ヤバイよ。瑠璃さん。どうしよう……」
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