箱
倉庫には課長はいなかった。
事務所で課長の声がする。
私たちは事務所の小窓から中を覗いた。
中には怖そうなパンチパーマの人と課長。
課長はへこへこしている。
「おう、バイトの娘を変えたのか?」
「はい」
「前のはどうした」
「辞めたいとか言い出しまして」
「ほう、そうか」
「最後は、無理矢理『カンオケ』に」
「また、入れて埋めたのか」
「はい」
「俺様のお気に入りの女はどうした?」
「ああ、あれはとっくの昔に」
「そうか。小箱の中身を見たんだよな」
「そうですよ」
「そういえば、俺も手伝ったわ。ぐへへへ」
二人は恐怖で動けなくなった。