花束をキミに・・・



Bは彼女のモデルのような腰を抱いた。



軽く口づけをし、もうちょっとだから、とその耳にささやきかけた。



Aは女性の揺れるロングの金髪を視線で追いながら、どうしたことだと首を振る。
 


彼女の後ろ姿を見て目を細めるようすはまんざらでもないようなのに、Bはふらふらと身体を揺らして苦笑い。



「これがあいにくと、未だに恋人の一人なんだよ。オレにとっても、彼女にとっても」



聞けば国はまほろばの女王、もしくは月夜の女神である、とふざけた口調。



その言い方から、なにか本気ではないな、とAは直感した。



要するに女のわがままにやられっぱなしなのだろう。



「結婚もしてはいないのか?」



「だから、未だにオレの子供を産ませたいと思うような女が見つからん、と言っただろう」



< 14 / 23 >

この作品をシェア

pagetop