2番目のオンナ。〜アナタのパートナーは大丈夫?〜
(4)奥さん
個室にはベットと化粧台、
テーブルと椅子、テレビが置いてあるシンプルだけど明るい部屋だった。
奥さんはベットに赤ちゃんを抱いたまま座っている。
「紹介するね、俺の会社の後輩で水月ヒナさん」
彼があたしを紹介する。
「ご主人様にはいつもお世話になってます、水月です。ご出産おめでとうございます」
あたしは軽くお辞儀して顔を上げてから奥さんを見た。
短く切った髪を耳に掛け、大きなくりくりっとした目であたしを見る。
心臓がドクンと鳴った。
「こちらこそお世話になってます、妻の美雪です。わざわざありがとうございますね」
彼と同い年と聞いていたから27歳だろう。
19歳のあたしからしたらとても大人な女性に見えた。
「あの、これ…」
あたしは持ってきた紙袋を差し出す。
「ありがとう」
美雪さんはにっこりと笑って受け取ってくれた。
「さっきおっぱい飲んだところなの、眠そうにしてる」
美雪さんはそう言って彼を見た。
「そう…」
「天使みたいな寝顔…パパに似てる」
「そうか?」
彼は低い淡々とした声で短く返事をする。