2番目のオンナ。〜アナタのパートナーは大丈夫?〜

奥さんはこうやって彼を奪っていったんだね。

彼の全てを初めて受け入れられた気がした。

裸のまま抱き合って、あたしは彼に聞いた。


「何であたしたちが先にこうなれなかったんだろう…」

彼はぎゅっと強くあたしを抱き締める。

「ヒナと先に出会っていたら…俺は全然違う人生をいってたんだろうな」

「辛いよぉ…」

「俺も辛い。何で一番愛してる人と一緒になれないんだろう…俺はバカだ」

彼の腕に抱かれ、
あたしはぼろぼろと涙を流す。

「あたしたち、終わりじゃないよね?」
「終わり?」
「だって…」

奥さんに疑われてるんだよ?
そんな状況で会うのって…

「俺、終わりになんかしないよ」
「?」
「俺、ヒナがいなくなったらなんも頑張れない」
「…タカ、わがままなお約束一つしていい?」
「何?」


バカだって分かってる。

あたしが独占する権利なんかないって事も。

だけど…


「あたしだけを抱いてね…奥さんの事抱いたらヤだよ」

「言われなくても抱かない、ってか抱けねーから」

そう言って彼はあたしのおでこにキスをした。
< 48 / 54 >

この作品をシェア

pagetop