レモンドロップス。
公園の二人がハッとしてこっちを見た。
あたしは無意識のうちに叫んでた。
とにかくそれ以上聞いていられなくて、無我夢中だった。
「菜美!」
「・・・彩香」
二人の方に駆け寄ると、菜美は小さくつぶやいてうつむいた。
「い、いずみちゃん・・・?」
おそるおそる話しかけると、ようやく呪いが解けたみたいにいずみちゃんはあたしをゆっくり、でもしっかり見つめた。
夕日に照らされたその目は、潤んでゆらゆらしている。
「あのっ」
あたしが言いかけると、いずみちゃんはパッと身体を翻して一気に駆け出した。
「待って!!」
そう言ったけど、あっという間にいずみちゃんの姿は公園から見えなくなった。
「あたし何やってるんだろ・・・」