レモンドロップス。
次の日、陽斗は朝から欠席。
ったく、明日から夏休みなのに・・・。
「おはよう~!」
ガラッと戸を開けて健にぃがいつもと変わらない様子で入ってくる。
「今日は・・・、戸田が休みか。」
健にぃがチラッとあたしを見て思わず目をそらせた。
ううっ、やっぱりまだ健にぃの視線を受け止める勇気が出ない・・・。
「・・・えっと、今日は終業式だからホームルームが終わったら体育館に移動だぞ~」
健にぃの声にハッとした。
『おれ、終業式とか始業式とかけっこう好きかも』
―――陽斗が前にそう言ってたことを思い出す。
『え~、なんで?立ちっぱなしだし、しんどいだけじゃない?』
『まあしんどいけどさ、なんか新しい時間の始まりって感じがするじゃん。
そのわくわく感が好きなんだよなあ~』
『・・・陽斗ってやっぱ変わってるね』
『なんだよ、その冷めた目は!』
陽斗は新しい時間が始まるを忘れて、今もどこかでいずみちゃんを探してる。
一生懸命に。
それなのに、あたしは何もしなくていいの?
―――いいわけないよね。