レモンドロップス。

陽斗とここで会ったのも、今みたいな夕焼けの中だったなぁ・・・。


この河原にいると、どうしてもあの時のこと思い出してしまう。

2人で奏でた曲、夕日に照らされた陽斗の輝くような笑顔。

すごく昔のことみたい・・・。



「―――えっ?」


と、急に足が動かなくなった。

ぼうっとしていた頭が急にクリアになる。


目の前の景色がすうっと遠ざかり、一気に背景へと変わった。


堤防の道の先に、夕日を浴びて立っている女の子がいる。


逆光の中だから顔まではハッキリ見えないけど、長い髪の毛がフワッと風にそよいでいて、

すらっとした、華奢な体つきは遠目からでも見てとれた。





うそ、いずみちゃん・・・?



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