レモンドロップス。
「・・・、彩香」
違う、やっぱりいずみちゃんだった。
前に見てからほんの数日しか経ってないはずなのに、顔がやせている。
でも・・・。
夕日に照らされた顔は本当に、陽斗とそっくりだった。
今まで似てるって思ったことはなかったのに、夕焼けの光の中で一瞬見えた表情は、陽斗とおんなじ・・・。
当たり前だよね、だって兄妹なんだから。
そう思うと、なぜか急に泣きそうになった。
―――あたし、なんで今まで迷っていたんだろ。
陽斗といずみちゃんのこと疑って、信じられてなかった。
2人が兄妹ってこと、心の中では納得できなくてモヤモヤしてた。
でも今見たいずみちゃんの顔。
さみしい時、辛いことを思い出す時の陽斗の顔と同じだった。
大事にしなきゃ、守らなきゃ。
無条件であたしがそう思ってしまうような顔。
「―――なんで彩香が涙目なの?」
いずみちゃんは困ったような顔で笑った。
確かに、これじゃ立場が逆転してる、でも・・・。
「だめだよ、いなくなったら」