レモンドロップス。
◇ほんとの気持ち。
「陽斗に初めて会ったのは、たぶん幼稚園の頃。5歳くらいかな」
運ばれてきたトロピカルアイスティをゴクリと飲むと、いずみちゃんは急に言った。
「え?」
真新しいカフェで、あたしはまたきょとんと間抜け面。
そもそも、なんでいずみちゃんと一緒にお茶なんか飲んでるのかといえば・・・。
Time:7/30 13:11
Frm:倉本いずみ
Subject:(non title)
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アロハ~。お元気?
ちょっと話したいことがあるから、良かったらお茶しない?
おごるよ。
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―――いやいや、中学生におごるよと言われても!
突然いずみちゃんからメールが来たのは、夏休みが入ってしばらくたってからのこと。
あたしは部活、陽斗は毎日バンドの練習で忙しかった。
とりあえず、あの騒動はひと段落着いたけど、いずみちゃんのことはやっぱり気になる。
というか、大事な話がまだ済んでない気もしてた。
いずみちゃんも同じ気持ちだったのかもしれない。
てなわけで、
『いいよ。どこで待ち合わせにする?
あ、あとお金は絶対ワリカンにするからね!』
とりあえず、急いでそう返信した。