レモンドロップス。
4章 冷たい殻
◇プレゼント
「陽斗ーっ!ダイスキーッ!」
ちょっ、あたしもそんなこと大きな声で言ったことないのに・・・。
「こっち向いてええぇぇ~!」
こっちは大声というか、もはや絶叫?
久しぶりに来たNinaで、あたしは周りの熱気に圧倒されていた。
9月、2学期は始まっていたけどやっぱり季節はまだまだ夏。
陽風のライブの熱気も最高潮に上がっている。
コンクールが終わって、文化祭の練習までの空いた時間を見計らって、陽斗のライブに来てみたら・・・。
「陽斗ーっ!」
「きゃーっ!!」
いつの間にこんなに人気に!?
陽風の人気が急上昇中ってことは聞いてたけど、まさかこんなにファンが増えてるとは思わなかった。
観客は女の子と男の子のお客さんが半々くらいだけど、女の子たちの黄色い声がかなり目立っている。
陽斗のファン(と思われる子達)もけっこういるみたい。
なんか不思議だな。
あたしの前の陽斗は何も変わらないように見えるのに。
・・・ていうか彼女ってバレたら、ボコボコにされたりしないよね!?