レモンドロップス。

「あ!あのさ!」

「おわっ!何だよ急に」

戸田君は焦ったようにあたしを見た。


な、何か話をつなげないと・・・!

思わず探ったパーカーのポケットから出てきたもの。



「き、今日のお礼にこれあげる!はいっ」

「・・・って何これ?」

無理やり戸田君の手に握らせたものは、




「レモンドロップだよ、今日のお礼!」

「お礼って、アメ3つかよ~」

ぶつぶつ言いながら、戸田君はさっそく口の中にドロップを放り込んだ。

「お、うまい」




「じ、じゃああたしそろそろ帰るね!」

もっと戸田君と一緒にいたい、でも一緒にいると、胸がどんどん苦しくなりそうで・・・。

思わずそう言って立ち上がった。


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