レモンドロップス。
2章 Melody
◇君の歌
「はーい、お疲れ~!」
佐藤先輩の大きな声が音楽室に響いた。
歓迎会の練習も大詰め、練習もどんどんハードになってきてる。
「ふあ~っ」
あたしも思わず大きくため息をつく。
と、佐藤先輩が駆け寄ってきて
「宮崎さん、今週調子いいね!すごく滑らかな演奏だよ」
「あ、ありがとうございます!」
そう、あの河原の自主練以来、あたしのウジウジした迷いはどこかへ飛んでいったみたい。
うそみたいに楽譜と音楽に集中できるようになった。
指の動きも軽やかだ。
やっぱり、戸田君、じゃなくて陽斗のおかげ、かな・・・。