レモンドロップス。
翌日、ライブハウスに菜美を誘ってみると
「行く行く~☆」
と二つ返事で乗ってきた。
聞いてみると、乾君のこと、けっこう本気で気になってる模様。
「あたしのことはライブハウス誘ってくれなかったのに~!」
って怒ってたけど、乾君のライブ姿を見られるからウキウキしてる。
「・・・でもさ、戸田君って彩香のこと気になってるんじゃない?わざわざ誘ってくれるなんて、怪しいよ~」
「う~ん、そんなことないと思うけど・・・。単にお客さん増やしたいだけなんじゃない?」
気になってるなら嬉しいけど、やっぱり単なるクラスメート?
でも嫌いなやつなら誘わないよね・・・。
でもどうでもいいやつならお客として誘っとくのかな!?
うう、陽斗の気持ちがわかんない・・・。
菜美、余計な期待持たせないでよーっ!
「何ため息ついてんの~?せっかくだからおしゃれして行こうよ!」
「う、うん。菜美は何着ていくの?」
菜美の明るさに引っ張られて、とりあえずあたしも前向きに考えることにした。
金曜の夜は、陽斗の歌が聴けるんだ。
そう思うだけで、なんだか気合が入る。