レモンドロップス。

彼と目が会う前にあたしはあわてて廊下にしゃがみこんだ。


 なんであたし、隠れてんの??

でも、彼に見とれてたところを見られたくなくて、思わず隠れてしまった。



キーンコーンカーンコーン


のんきなチャイムの音がして、やっとあたしは立ち上がった。

「イテテテッ、もう何やってんだあたしは・・・。」

変な姿勢でしゃがんだせいで腰が痛い。



でも、見下ろした窓からはもう彼の姿はなかった。


 なんかすっごく残念・・・。


自分で隠れときながら、あたしはがっかりした。

でも、彼の姿は頭の中にくっきり焼きついてしまっていた。



と、その時、


パシッ

「あいてっ!!」

あたしは後ろから、何かに頭をはたかれて振り返った。




「お前、何してんだよっ」






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