レモンドロップス。
◇秘密
「ちょっと聞いてよ~!」
「・・・菜美、テンション高すぎだよっ」
次の日の昼休み。
陽斗と両思いになったこと、報告しなきゃと思ってると菜美のほうからあたしに駆け寄ってきた。
まあ、菜美の様子を見てたらどんなことか、だいたい想像つくけどね。
「乾くんのことでしょ?」
「さすが彩香!あたしのこと分かってくれるのは、彩香しかいないわ!」
てか、菜美が分かりやすすぎなんだよ!
と、心の中で突っ込んでみる。
菜美はベンチに腰掛けると、
「乾くんに思い切って、今度一緒に遊びにいこうって言ってみたんだ。でもあんまり乗り気じゃなさそうでさ~」
「え、菜美が誘うなんて珍しいね!」
菜美は黙っててもモテるタイプだから、男の子に積極的になるなんてめったにない。
「あたし、けっこう乾くんのこと本気なの。でももしかして気になる子いるんじゃないかなって気がしてきて、なんか不安なの」
菜美が真剣な顔で言うので、
「うそっ、それっぽい子がいるの?」
聞いてみると、
「うう~ん、あたしはあの『いずみ』って子が怪しいと思うんだ」