レモンドロップス。

陽斗はまっすぐあたしの方を向いて、そう聞いた。



『いや~、気になるって程でもないんだけどねっ!』

とっさにそう言おうかと思ったけど。

でも真剣な陽斗の目を見て、自分の素直な気持ちを言わなきゃ、とはっきり感じた。


「ホントはすごく・・・、気になる。もしかして二人の間になんかあるのかなとか。陽斗のこと、好きだし信じてるんだけど、でも不安で・・・。」



彩香は俺のこと、ホントは信じてないんじゃん?

そう言われるかと思ってた。



でも、陽斗は

「そっか・・・、やっぱり気になるのか・・・。」

と言ったきり、考え込んでしまった。


あたしがあわてて

「でも、あたし二人が仲いいのはいいことだと思うし、邪魔するつもりじゃないよ。それに・・・」


フォローしようと話し出すと、陽斗は


「いや、」


そう話をさえぎって

「俺、彩香には本当のこと話すわ」

あたしの目を見たまま言った。


陽斗・・・?



「いずみは、俺の妹だ」



< 75 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop