レモンドロップス。
「・・・・・そっか」
健にいは、珍しく静かに笑うと、
「まあ、遊びもいいけど夏休みの宿題も忘れんなよ?」
と言って、あたしの頭をポンポンと叩いた。
「はいはい!分かってますよ~、健にい!」
あたしがムキになって言い返すとそのまま健にいは廊下の向こうに歩いていった。
そういえば今日は、先生と呼びなさい!って健にい言わなかったな・・・。
まいっか、とあたしはその時深く考えずに、
「彩香、行くよ~♪」
「はいは~い!」
前を歩く菜美を追いかけた。
「そうだ!金曜にある陽風のライブ、彩香も行くよね?」
振り返って、菜美はにっこり笑った。
「うん、お母さんもライブは月1だし、11時までに帰ってくるならってやっとOKしてくれたよ~」
「よかった!じゃあ彩香と二人で見に行くって、乾くんに言っとくね♪」
菜美も頑張りが実って、最近乾君といい感じらしい。
一緒に映画見に行ったり、買い物行ったりして休みの日もけっこう会ってるみたいだし。
「菜美も乾君とラブラブだね~」