王子様との1ヶ月
(最近イヤホンで音楽聞いてたから耳が悪くなったのかな…)
「え?なに?」
「だから、僕の恋人になれって言ってんの!言っておくけど、破ったら退学だからね」
(耳は正常のようです…)
「ちょっとまって!何でそうなるわけ?!だって漣の時は…」
「高田くんはいじり倒したし、学校暇だし…次は岩瀬くんが遊び相手だよ」
当たりまえのように言って、机に座って足を組む
「もしかして、女でしたーってオチじゃない?」
「漫画の読みすぎ…」
深呼吸をして早くなった心拍数を落ち着かせる
「そ、それじゃあ…やっぱり男?」
いきなり俺の腕を久遠が掴んだかと思えば「確かめてみる?」なんて真剣な目で見つめられた
丁寧にお断りしたが
「で、でも恋人って何すんの?」
「うーん、キスとか?」
次の瞬間、久遠の顔が俺の目の前にあって、気が付けば柔らかいものが口に触れていた
夕日が静かな教室を綺麗なオレンジに染めていた