三つの月の姫君
「月ですよ」
「また、わけのわからんことを!」
青年は細く、ため息した。
「見えませんか……? 三つの月が。満ちててゆく月、満ちた月、欠けてゆく月」
「そんなへなちょこ錬金術師のような馬鹿をいってるんじゃない。ここではどうだか知らんがな、現代では見えない月もあるだろう」
「また、わけのわからんことを!」
青年は細く、ため息した。
「見えませんか……? 三つの月が。満ちててゆく月、満ちた月、欠けてゆく月」
「そんなへなちょこ錬金術師のような馬鹿をいってるんじゃない。ここではどうだか知らんがな、現代では見えない月もあるだろう」