三つの月の姫君
 というと、一気に憂鬱そうになるミスター。


「そういえば、おまえは見たか? ここへ来て以来、満月、半月、新月以外の月を」


「そ、そう言えば回転早いですね。変だと思った。ここへ来て数日なのに、三日後にまた新月だなんて」


「客商売じゃないんだから、回転数をいうな」


 二人は同時に顔を見合わせた。



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