三つの月の姫君
「僕は……いや、わたくしは運命に間引かれたのだろうか。今見渡す限り、世界は荒れて、わたくしは異邦人」


「なにをひとりでぶつくさやっているのだ。暇してる時間があったら、手伝え」


 彼が持っているのは古ぼけたスコップだった。 


 誰か居るのだろう。


 壁に立てかけてあったそうな。


(元気だなあ、ミスター)
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