三つの月の姫君
「おまえ何してる」


「そっちへ行ったらダメでしょうー。今ならもれなく間違いもなく、出ますよ! アレが」


「ああ、何かはでるだろうな。だから行くんだ。女々しい態度はよせ」


「ミスター。考え直して、お願い」


 青年が叩かれた手をさすっていると、重々しい物がたてるきしみが誰にも聞こえた。




< 26 / 223 >

この作品をシェア

pagetop