三つの月の姫君
 ミスターが食後の酒をたしなんでいた頃、青年は赤くなったり青くなったりして、まだらになった顔をしてVIP席まで駆けつけた。


「まずいですよー!」


「ん。乙女をけがしたのか、その首に媚薬の牙を立てたのか? 化け物のような顔をしている。よいよい、なんでも許す。だからいね」


「そ・う・じゃ・な・く・て! ミスター、そんなこと言ってる場合じゃない!」


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