タイムリミット・2010
会社に着くと、個人的な事などに関わっていられなかった。
いきなり課長に呼び出された。
企画書の提出期限が迫ってるけど、進行状況はどうなってるかの確認だった。
そう言えば、企画会議はあの“タイムリミット”の日と同じ日だった。
そうかぁ…
気が付くと自然と笑いが込み上げて来た。
仕事で疲れたとは言え“幻”まで見てたとは…
とにかく原因が解ったのだから、もう悩む事はない。
そう思うと、気持ちが前向きになり全てが、思う様に運んで行く気がした。
行き詰まってた企画書も、その日の内に大方完成した。
今日は、残業もそこそこ帰路に着いた。
電車を降りて歩き始めると…
再び、胸の奥底から、物凄い不安感が沸き上がって来た。
企画書もほぼ終わったのに何故だ!
嗚咽を伴う程、胸を締め付けられた。
『“タイムリミット”が迫っている!』
その言葉だけが、頭の中をこだました。
なんとか家まで、たどり着いた。
暑くもないのにシャツが濡れる程汗をかいていた。
シャワーを浴びさっぱりすると、気持ちが落ち着いたのか、少し楽になった。
缶ビールを飲んで、今日も早々寝る事にした。
暫く、布団の中で格闘したが眠れず、気になるものの期限を調べてみた。
時間だけが過ぎ、流石に明日があるので、仮眠程度の眠りに着くことにした。