オリヴァー・ジョーンズの事件簿
……

頭がボーッとする。

久々に太陽の光が肌に当たって、熱い。
基本的に、朝や昼の明るい時間は苦手で、極力避けていた…のに、不躾に人の夢に入ってきた侵入者を思い出す。

「っ…!」

腹立たしさが、寝ている頭を起こす。
私は基本的にあまり怒りなどの感情を表に出さないのだが、人がスヤスヤと寝ているのを無理矢理起こされたら、不機嫌にもなるだろう。

特に、私のような昼夜逆転の生活をしていると、昼間の睡眠時間がどれだけ貴重だか理解してもらいたい。

そんなことを考えていたら、パジャマから、私服に着替え終わってしまった。

「これからどうするかな」

起きてはみたが、今はすることがない。
仕事らしい仕事も請け負ってはいないし。

暇なのなら、暇人らしく町中を散歩するとするか。

ワイシャツのボタンを最後までしめると、寝室を出て、何もない居間を通りすぎる。

私は基本的にシンプルなものが好きなので、余分なものはない。

この家にはベットと、ミネラルウォーターをいれるための冷蔵庫、そして、夜の闇を明るく照らすための電球があるだけだ。

インテリアに用途不明な小物や、思い出を残すために、撮影した写真を貼るためのコルクボードといったものに、全く魅力を感じないし、あっても邪魔なだけだ。

だって、全て、自己満足だろう?

なら、私はこれで満足だ。

最低限、最小限、必要なものだけ。

他は仕事場に置いておけばいい。
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