オリヴァー・ジョーンズの事件簿
簡素だが、外との気圧の問題のせいか、見た目以上に重苦しいドアを開けると、先ほど、カーテンからはみ出していた日差しとは、比べ物にならないほどの光が、私を包む。

一瞬、目眩がした。

日光なんぞ、ここ数十年と浴びていなかったので、それを受け入れるには時間がかかる。

だが、逆にいうと、時間をかければ、うまく付き合っていける。
人工的なもの以外は案外、ホイホイとそちら側に誘いをかけてくる。

ほら、早速、日差しとともに、暖かく、心地よい感覚が私の露出した肌を丸め込む。

まるで、夢の中の世界に誘われているような感覚だ。
このまま、夢の世界に行ってしまおうかと、一瞬、気を緩めたが、散歩するのだ、という固い意志がそれを拒んだ。

たまの日中だ。真上にあるお天道様と、まだお別れはしたくないし、一度決めたことをすぐに、撤回するなど、私には考えられないほど屈辱的なのだ。
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