オリヴァー・ジョーンズの事件簿
この事務所に務めて、もう二年以上経つけど、この人は見た目はおろか、中身は全くぶれないほど、我が強い。
そのためか、所長とよくケンカをしている。
犬猿の仲とまではいかないまでも、あまり仲はよろしくないんじゃないかなぁと。

「つか、今日は依頼されてた例の件、片付いたよ。」

先ほどの愛人(?)たちの写真を懐のポケットに戻し、持っていたビジネスバックからまた別の写真を数枚取り出す。

それには情事を済ましたのだろうか、暗がりのホテルから出る一組の男女。

「ばっちし、浮気現場の証拠押さえたぜ。」

と言いながら、ジャケットのうちポケットからタバコを取り出して、火をつけると、煙が九条さんの顔をぼやけさせた。

うちは小さい探偵事務所だから、大きい事件、例えば殺人事件やら、失踪した家族の捜索とかなどの依頼は全くない。

九条さんの仕事として割り振られた、この浮気の調査とか、未成年の僕には、いなくなったペット探しとか…つまりは雑用みたいな依頼が多い。

「へぇ…。怪しまれずにこんなのとって、ばれませんねぇ…。」

「おぅ、俺の得意分野だからな。まかしとけ。」
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