珍・うばすて山
ココはその村の一軒屋である。そこには、今年で60歳を迎えた母親と息子が住んでいた。話の都合上ウバ太とウバ子で通したい(適当にも限度ってものがあるだろ!!)


ウバ太:はぁ〜・・・いよいよ、明日か・・・

ウバ子:何をため息をついておる・・・わしゃ、仏様の所に帰るだけじゃ・・・


そして、いよいよ、その日がやってきた。朝、10時には家を出るように通告が出ていた。


ウバ太:おっかぁ。そろそろ行きますか・・・

ウバ子:おねげぇします


あまり気が進まないウバ太。今まで自分を育ててくれた母親を捨てに行くのだ。一歩一歩の足取りが重い・・・ウバ太は歩いた。母親を背中に背負って、険しい山道を登った。


ウバ太:はぁ〜・・・


ため息が止まらない。そして、山道を登る間、今までのことが走馬灯のように頭の中を駆け巡る。

産んだばかりの赤ん坊としての自分を嬉しそうに抱きかかえる母親・・・

欲しかった服をやっと買ってもらい、それを着て、両手を広げて走り回る自分に優しい微笑みをかけてくれた母親・・・

わんぱくざかりの自分を追いかけ回す母親・・・

次から次へとその映像が頭の中に流れてくる・・・
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