珍・うばすて山
自然と目には涙がたまる・・・

しかし、泣いてはイケない。ココでオレが泣けばおっかぁがつらくなる・・・

なぜ、おっかぁを捨てなきゃなんねぇだ・・・

この言葉が何度も何度も頭をよぎった。

しかし、お殿様のお触れは絶対である。でないと、どんなお咎めをくらうか分からないのだ。


ウバ太:着いただ・・・


ウバ太は立ったままだ。母親を降ろそうとしないウバ太・・・


ウバ子:早よう降ろしなされ・・・


母親の声に我を取り戻したウバ太がそっと母親を降ろした。

ウバ子はゴザを持って奥へと歩いていく・・・

ウバ太は麓に向かって走った。後ろも振り返らずに、力の限り走った。

家に着いた。母親のいない家である。今までは考えられなかったことだ。

力なく戸を開けるウバ太・・・

そして、そのウバ太の目に信じられない光景が飛び込んできたっ!!
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