珍・うばすて山
なんとっ!!囲炉裏の前でウバ子が熱いお茶をススっていた(ガビーン!!)


ウバ子:遅かったの


だああぁぁぁ(ウバ太がズッコケる)


ウバ太:「遅かったの」じゃないでしょおっかぁっ!!何してるんですかっ!!

ウバ子:いや〜、山は意外と冷えての。夕方から早朝にかけては、この家で過ごそうと思っての・・・ズズっ・・・

ウバ太:そんな「うばすて山」があってたまるかーっ!!オレの涙を返せーっ!!(ずび〜ん!!)

再びウバ太が母親を背負って険しい山道を歩いていく・・・(オイ)

さすがにもう、思い出の映像が頭をよぎることはない。

すっかり悲しみから覚めてしまったウバ太であった


ウバ太:おっかぁ。オレだって、こんなことしたくねぇんだけど、仕方ねぇんだ。

ウバ子:それでええ。お前があんまりにも悲しんでおった故の・・・

ウバ太:・・・じゃあ、全部オレのために・・・


母親とはこういうものなんだろうか

ウバ太は考えた

こんな所に置いて帰られたんじゃ、この冬の寒さで間違いなく死ぬ

自分が死ぬと言う時にまで息子のことを思ってくれている

自分もいつか、こんな父親になろう・・・

ウバ太の目に涙がたまる・・・そのうち、一筋、二筋とほおを濡らす・・・
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