珍・うばすて山

花札

ウバ子:早よう行きなされ・・・今日は初雪だそうじゃ・・・


コクっ・・・無言で頷いたウバ太が山道を駆け下りる

ドサっ・・・石につまずいたウバ太が前のめりに倒れた

起きあがろうとしないウバ太・・・

そのまま時間が過ぎていった

どれくらい過ぎたであろうか・・・

ウバ太の頬に雪が舞い降りる・・・


ウバ太:冷てぇ・・・雪だ・・・そういや、初雪とか言ってたっけか・・・


その瞬間、ウバ太の脳裏に雪で凍える母親の姿が浮かんだ


ウバ太:おっかぁっ!!おっかぁっ!!


ウバ太が山道を引き返す

お咎めだって、かまうもんかっ!!

おっかぁを・・・自分の死ぬ間際までオレのことを考えてくれるおっかぁを死なせてたまるもんかっ!!

そう胸の中で叫んだウバ太は捨てられた年寄りがいるという洞窟へ向かった
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