1mm ~あたしだけを見て~
あぁ。
本当にあたしは…。
「良かった! んじゃ、行くかっ!!」
考はあたしの手を握って歩き始める。
こんな優しい行動に罪悪感が溢れる。
何で?
…あたし馬鹿だ。
分かってる。
考は優しいから、
同情してあたしをフレないんだよね?
本当はあの子が好きで好きで、たまらないのに。
何であたしに…。
いつの間にか、あたしのお家に着いていた。
もうちょっと、一緒にいたかった。
「んじゃ! また明日な!!」
考は手を振って、優しい笑顔を浮かべる。