013★
その時、バンッと何かに当たる音が聞こえた。
音のするほうを見ると、1人の男子。
さっき、一番叫んでいた子。杉田 和都(スギタ カズト)が顔面すれすれでかばんを止めていた。

『何すんだよ!涼太、危ないだろ!
 いきなり鞄投げつけるんて。』
杉田が、涼太をギッとにらんだ。
『はぁ?そっちがうるさいんじゃん?
 和都。』

朝から、微妙な空気が教室に流れる。

『ちょっと、文!』
志月が、手招きをした。
『涼太、文の事気になってるんじゃない?
 だからかばったんじゃないのかな?』
私は、ハハッと笑い返した。


『ないない、それは無いよ。』
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