ファイブ
「あぁ~、もうっ!一生の不覚っ!!」
あたしが頭を抱えて机に突っ伏していると、例のムカつく声が聞こえてきた。
「優霧ちゃ~ん、約束覚えてるよなあ~?」
声の主の方を見ると、にひっと満面の笑みをこちらに向ける頼道がいた。
……ムカつく
「ムカつく」
おっと、また心が口から出てきてしもた。
まあええ。ほんまのことやしな。
「負け犬の遠吠えですか~?まあ、吠えてないけど」
カッカッカ!
どっかの悪代官みたいに、頼道は腰に手をあて、上を向いて大きい声でそう笑ってみせた。
……どこまでムカつく性格しとんねんっ!!!
こんなやつに負けたんかと思うと、ますます悔しすぎるやないかっ!!!