ファイブ
「でも、びっくりしたよ~。頼道くん、めちゃめちゃ賢いじゃん」
そう言って富美江が頼道を誉めた。
富美江~…。
あんたはどっちの味方なん…。
「まあね~。余裕だし」
ほら、こいつムカつく性格やから、ちょろ~~~っと誉めたっただけですぐ調子乗りよるやろ。
「あんたほんまムカつくわ」
あたしは睨みながら心底気持ちを込めて、頼道にそう言ってやった。
「何とでも言いんしゃい」
でも頼道は余裕な顔をしてふっ、と鼻で笑った。
「そんなことより、約束、ちゃんと覚えてるよな?ハーゲンダック、一週間、毎日律儀に俺のために、昼休み、購買に買いに行くんやで?」
ちくしょう。
「ちっ」
「なっ」
あたしは舌打ちで返事した。
「悔しいけど、約束やからしゃあない…」
「お、おう…。頼んだで~」
何度でも言ってやる。
頼道、お前、超ムカつく!!!