ファイブ
昼休み お弁当を食べる。

「細川もさあ~ もっとちゃんとすればいいのに。」
「性格やねん 仕方ないわ」
「あんたが言うのっ。一番ちゃんとしなきゃいけないのは夕霞でしょ」
「はあ~ なんのことやろ。にしても富美江んとこの卵焼きは最高や~」
「こらこらごまかすなよな~ うれしいけど」

いつものことや。わたしがあほかまして富美江がツッコミ(とはまたちゃう気がするけど)を入れる。こういう時間が一番好きや。

「そぉいえば このクラスに転校生が来るみたいよ」
「ほほう」
「うん。夕霞と同じ 関西からだってさ」
「へへえ~… って。まじでかっ」
「荒川<あらかわ>が言ってたから本当だよ」
「荒川。だれやそれ」
「学年主任のっ」
「あぁ 世界地図か」
「またそう呼ぶ~ 可哀相だよ」

世界地図。頭が半分はげてて 後ろから見ると 残った髪の毛が大陸みたいにに見えるから。

「関西のやつか。なんかちょっと楽しみやなあ」
「夕霞みたいなのが増えると あたしは体力的にしんどくなるなあ」
「は~ん。今なんか言いましたか」
「あんた二匹は手に負えないって言ったのよ」
「~♪」

なんて 楽しいんや。こんな日が 一生 続けばいいのにな。
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