ファイブ
『♪文化祭実行委員に当たっている人は 放課後 大会議室に集まって下さい…』

うお~きたきた。

「夕霞お待ち兼ねの委員会じゃん」
「うへへ ついにきたかあ~って感じや」
「嬉しそうにしちゃって 子供かよあんたは」

十六なんてまだまだ子供やもんね。遠足には早起きのタイプやもん。

「夕霞ちゃん文化祭の実行委員なん」

ん 何の用やチャラチャラ野郎が。

「そうやけど」
「俺 ノリよさそうって先生に頼まれてんか 実行委員 よろしく~」
「……は」
「あれ 男子は藤木<ふじき>がやるんじゃなかったっけ」

そうそう 富美江よぉ言うた。うちもそう思ったねん。

「なんか あいつ嫌々引き受けたらしいな。他誰もやる気ないみたいやし よければやったってくれへんかって先生にえらい頼まれてしもてな~。まあ 俺も祭ごとは好きな方やから 断る理由もないし合点承知したわけや」
「ふ~ん」
「な……」

おのれ 滝川<たきがわ>め~。いくら藤木が嫌々やからってわざわざこいつに頼みやがって…。

「てことで 今日放課後大会議室一緒に行こか夕霞ちゃん」
「はあ 悪いけど一人で行って。うちその前に掃除あるし」

なんっでうちがあんたと並んで歩かなあかんのや。

「それなら俺もやで。転校早々ついてないなあ~」
「ほんまについてないな~」

うちがな。

「てか 夕霞ちゃん。メルアド教えて」

は てか何やねんさっきからこいつ…

「気安く名前で呼ぶなっ!」
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