理想の恋人−上司との恋愛事情−
親父が刺されたのは足だったから命に関わる事はなかった。



母親は警察に捕まったが正当防衛とか何とかで刑期を迎えずにすんだ。





「驚いたよな?黙ってて悪かったな」


「分かるよ。どうして黙ってたか…あたしもあんな場面を見られずに普通に付き合ってたら、お兄ちゃんの事は一生言えなかった。誰かに助けてほしいと思いながら助けてとは絶対言えなかったから」


「俺はな、うちは被害者だってずっと思ってた。他人に人殺しと言われてもな。でも人殺しには違わねぇとも思ってる」





事件から間もなくした時、世間の目がきになって引っ越ししてきた。



それからは俺ら家族は事件の事を口にせず生きてきた。







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