らぶきゅん【続】
急いで1人でファッションショーを始め、全身鏡とにらめっこ。そして…
「おかーさーん、ちょっと行ってきまーすっ!」
階段を駆け降りて、キッチンにいるお母さんへ呼び掛けた。
「コーラ真柚!あんた学校の課題の勉強は…」
「恋の勉強してきまーす♪」
勢い良く玄関のドアを閉めて、家を飛び出した。恋の勉強も、勉強には変わりないもんっ。
洵介先ぱいの家はここから近いことを思い出したあたし。5分弱の距離だなんて…やっぱり運命っ♪
緩やかな坂道を駆け上がる。あぁ…この先に愛しい愛しいダーリンのお家があるのねっ。
夏の日差しを浴びて、風の隙間を通り抜けて、胸を弾ませてアスファルトを蹴る。
『ピーンポーン♪』
昨日来たこの場所に再び参上した満川真柚。息を調えて誰が出てくるかを待った。