らぶきゅん【続】





『いいように利用されるのね、友達って』


「か、香里さ~ん?」


『いや、こっちの話よ』


香里、どうしたのっ?あたしは一人の人間として向き合ったつもりなのに!


『いいよ。花火大会行こう』


「本当にっ?ありがと~マイフレンド♪さすがあたしのよき理解者っ!」


『花火大会に行くだけなのに。大袈裟』


電話越しに呆れた様子で溜め息を吐く香里。どんな顔してるのか想像ついちゃうな。


「あとさ、香…」


『あたし浴衣は着ないから』


な、何ということだ!あたしの心が読めているではないか!何なの、このマイベストフレンドは!


『図星でしょ?』


「一緒に浴衣来てほしいな~香里ちゃ~ん♪」


『あんただけ着ればいいじゃない』


「おそろっていうのをしてみたいなって♪」


『却下。じゃ明日の6時にあたしん家にね』


「え!?ちょ…待…っ!」


そこで電話は切られた。さすが香里。必要最低限しか話さないのね。





< 73 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop