らぶきゅん【続】
『いいように利用されるのね、友達って』
「か、香里さ~ん?」
『いや、こっちの話よ』
香里、どうしたのっ?あたしは一人の人間として向き合ったつもりなのに!
『いいよ。花火大会行こう』
「本当にっ?ありがと~マイフレンド♪さすがあたしのよき理解者っ!」
『花火大会に行くだけなのに。大袈裟』
電話越しに呆れた様子で溜め息を吐く香里。どんな顔してるのか想像ついちゃうな。
「あとさ、香…」
『あたし浴衣は着ないから』
な、何ということだ!あたしの心が読めているではないか!何なの、このマイベストフレンドは!
『図星でしょ?』
「一緒に浴衣来てほしいな~香里ちゃ~ん♪」
『あんただけ着ればいいじゃない』
「おそろっていうのをしてみたいなって♪」
『却下。じゃ明日の6時にあたしん家にね』
「え!?ちょ…待…っ!」
そこで電話は切られた。さすが香里。必要最低限しか話さないのね。