恋の恐怖症




「さて、挨拶もこのくらいにして…君も聞いていると思うけど、もう1人、紹介しなきゃいけない私の家族がいるんだ」






「わたしのお兄さんになる人…ですか?」






「そうだよ。さっきちょうど帰ってきて、今部屋にいると思うから、君の部屋に案内するついでに紹介させてくれないかな?」






「はい、わかりました」







わたしのお兄さん、かぁ…。





今までひとりっこだったから、どんな風にお兄さんと接すればいいかわからないけど…できたら、仲良くしたいな。






「じゃあ、ついてきて。こっちだよ」






いいと言うのを聞かず、荷物を持ってくれた宗一郎さんのあとをついて行くと、階段を上って少し奥のところに、2つの扉が並んでそこにあった。







「右の部屋が、新しく君が住むことに部屋。そして、その左にある部屋が、君の兄――遥綺の部屋だ」






「ハル、キ…」






「そう、ハルって呼んでやってね。ハルは、口は悪いけど、根は照れ屋ですぐ顔に出やすくて、結構可愛いやつだから」






「かわ、いい…?」






男の人なのに…かわいい?






「そうなんだよ!私の元妻そっくりに育って、小さくて下手したら君より年下に見えるんだ」




「はあ…」






「それに拍車をかけて子供のような反応を返してくれるから、もうこれがたまらなくてついいじりたくなっちゃってね…」






「いじり…え!?」






宗一郎さん、もしかして壊れ始めてる…?






もしかして世に言う親ばかってやつなのかな!?






ど、どうしよう…止めた方がいい?
それとも、宗一郎さんの気が済むまで聞いてた方がいいのかな…?






でも遥綺さんに早く挨拶しなくちゃいけないし…どうしよー…。





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