恋の恐怖症
「…おーい、大丈夫か?」
「は、はいっ!」
あまりにもおかしすぎたのか、わたしの表情を見ていなかったはずの遥綺さんでさえ、わたしの動揺を感じ取ってしまったらしい。
い、いけない!初っ端から心配かけちゃいけないんだってば…!
「は、はい、大丈夫です。すみません、取り乱してしまって…」
そうして、わたしがやっとのことで、遥綺さんの方へ顔を向けてみたら――
「――あっ!?」
「え!?」
お互いに顔を見合わせ、お互いに驚いたのも無理ないと思います。
だって…
「お前…」
「あな、たは…」
…ついさっき、駅でぶつかった人だったんだから。