恋の恐怖症
●遥綺side●
俺は今、とてつもなく急いでいた。
「はあ、はぁ…」
ちくしょー!
こういう日に限って、なんであの教師はHRを長引かせるんだか…!
今日は、オヤジの再婚相手と、俺の妹…になるらしき奴が来る日。
早くしねえと約束の時間が迫ってるってゆうのに、さっき駅前でぼーっとしてた奴のせいでだいぶ時間をロスしてしまった。
新しい母親も、妹も、正直言ってどうでもいい。
新しい家族なんて必要ない。
…そうは思うが、時間に少しでも遅れたりしたら、あのクソオヤジは何をしてくるのかわかったもんじゃねえんだ…!!
「はぁ…っ」
時計をちらっと見ると、今がだいたい12時50分。
約束の時間が13時…ってことは、少ししか余裕がないってことだ。
オヤジからの罰なんて、絶対に受けたくなんかない。
俺は、今よりももっと走るスピードを上げた。
「ちくしょー!間に合えよ!!」