天翔る奇跡たち


『ディノーディア……絆をもたぬ幼竜が、神殿を出るとどうなるか……もう、理解できますね……』

「はい。心乱して私は金竜の資格を無くしました。でも、私は後悔などしていません」

『そんなことは独りで野にくだってイニシエーションを経てからいいなさい』

「野にくだって……」

 ディノーディアさん、いつもと違ってしゅんとしている。守られてばかりの小心者など、どのみち、だれのことも救えまい。その点、彼女は突き抜けている。


『そうですあなたはそこで出会った者と永遠の絆を誓い合うのです。それが成竜になるための第一の試練なのです』



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