天翔る奇跡たち
「あの、で、ディノーディアさん? いったい、どこから来たの? あたしたち、一応、ここへは忍んで来てるわけだけども」
すると彼女はすぅ、と胸に息をため、ゆっくりと吐きだした。
「このような門、端には、脇門の通路があるものだ。質問はそれだけか」
あ、帰れとも言えないしなあ。
まだ聞きたいことはあるし、まずは様子見かなあ。
と、思って見るとグリフはボーッとしてるし、ガナッシュは俄然反対。
両腕をでっかいバッテンにしている。
仲間なんて無理。
(……て、顔だよなあ。わかりやすいよ彼は)
「いいよ」
不意にグリフの口からそんな言葉が出た。
「いいけど、さっき言った言葉、証明できる?」
「うむ」
彼女は即答し、あたしたちは彼女を直視した。